2012年3月19日月曜日

五ヶ瀬中等教育学校で受けた教育のいいところ - 先生の背中を見て学ぶ

前回は、前の記事にもらったコメントの内容をヒントにして
五ヶ瀬中等教育学校の6年間の教育の意味するところや
特に学ぶ雰囲気があるという観点からのいいところについて書きました。

これに加えて、授業以外のことでも勉強する、学ぶ
ということに熱心であったりヒントをくれたりする
先生がいたことも良いところかなと思います。

僕が覚えているエピソードをいくつかあげてみましょう。

■日本史の先生が授業で趣味全開
高校1年の時の日本史の授業の話です。
その時の科目担任の先生の授業が
かなり特徴的で面白かったです。

具体的にはどういう授業だったかというと
昭和の世相を学ぶみたいなテーマで
昭和時代を1年ずつその時のヒット曲をCDで聞き、
その時の社会的な事件とかを学ぶみたいな感じです。

最初の授業では自分達の学年が生まれた年のヒット曲で
「赤いスイートピー」とか「矢切の渡し」とか。
その他の年も順々に聞いていきました。

曲名を具体的に思い出せないので
「昭和歌謡年表」っていうページで
ヒット曲の一覧みてたらちょっと思い出しました。
曲もYouTubeで聞けますね(^^)

例えば「二人は若い」とか「蘇州夜曲」とかっていう曲です。
前者は「あなた なんだい そらは青空 二人は若い」
っていう歌詞がいかにも昭和テイストな曲ですね(笑)

他に、戦時中の歌としては「同期の桜」とか「月月火水木金金」とか。
最後の方ではリンゴの唄も聞いたような気がします。

あとはその時の世相史みたいなのもやってました。
阿部定事件とかかなり強烈な事件も出てきました。

テストもそれを反映していて、例えば
歌謡曲の穴埋め問題とか
双葉山は何連勝したかとか
そういう問題でした(笑)

きっかけは先生の趣味の
昭和歌謡の大全集のCDを買ったので
それを使いたいっていうことやったと思うんですが
そういう先生自身が興味を持っていることや楽しんでいることなので
授業中とかもめっちゃ楽しそうで
生き生きとしていたので、こちらも興味を持って学べていた気がします。

科目の授業の中では
今でもこの授業の感じが一番印象に残ってますね。

ちなみに先生の名誉のために言っておくと
これは日本史Aという区分の授業で、
受験に関係あるのは日本史B、世界史B、地理B
といった区分だったので、受験に支障がない範囲でという考慮はあったと思います。
まあもちろん自分の趣味もあったと思いますが(笑)


■世界史の先生の知識の蓄積を盛り込んだプリント
日本史だけでなく世界史の先生も結構特徴的で
独自のプリントで毎回予習をせんといかんかったんですが
そのプリントがすごい詳細なものでした。

教科書や資料集に載ってないような項目が載ってて
いろんなエピソードを交えて話をしてくださっていたので
それもまた覚えています。

あと、ちょっと蛇足ですが、その先生は
キーワードを結構暗唱させる方で、
インドのカースト制で「バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラ」とか
中国の王朝の移り変わりで
「いんしゅうしんかんぎしんなんぼくちょうずいとうそうげんみんしんちゅうかみんこくちゅうかじんみんきょうわこく」とか
そういうのを繰り返し唱えさせられてました。

コレ、今でも暗唱できるので、やっぱ繰り返し声に出す
って効果的なんやなーと改めて感じています。


■フォレストピアの授業で先生の方が面白がる
五ヶ瀬中等教育学校には「フォレストピア」という
総合学習の走りのような授業がありますが、
この授業はかなり印象的でした。

特に、高校の「森林文化」というテーマの授業で担当してもらった先生には
何度も研究対象の林業家の方のところに連れていってもらったりして
お世話になっていたんですが、山に行く時も
先生自身が面白がっている姿勢を見せていたのが印象的でした。

あと、インタビュー術を学ぶというような授業で
校務員の方に先生が対談形式で話を聞いて
生徒はそれを見てどんな感じで進めたらいいか学ぶ
みたいなこともやってたんですが
その校務員さんの話を先生がいろいろと引き出していて
メチャクチャ面白かったのを覚えています。

そこで、それぞれの大人にそれぞれのストーリーがあるんだ
ということを学んだように思います。
その先生自身がまたその方のストーリーに
興味を持って聞かれていたのが
授業が面白くなった要因だと思います。

前に、子供に勉強させたいならまずは親が勉強すべきだ
みたいなことを書きましたが
それと同じで、先生自身が学ぶことに対して意欲的だったので
それに良い影響を受けたんじゃないかなと思ってます。

その他、地理の先生だったと思うんですが
授業でイースター島で森林がなくなったという話をしてくれました。
これは、イースター島で宗教の争いがあったりして
森林を伐採し過ぎてしまって島から資源がなくなって
最後には島を脱出するための船を作る木もなくなって
滅びてしまったという話で強烈に覚えています。

この授業は、社会科の教科からみる森林文化
みたいなテーマで、科目担任の先生にそれぞれ授業をしてもらった企画でした。
その時は分からなかったのですが、
今思うとこれは教科書的な知識ではないので
本で先生が独自に調べてまとめてから
授業してくださったんだと思います。

そこで義務感で流れでやっていたら
こんなに印象には残っていなかったと思いますし
これもやっぱり先生が興味を持って調べたことを
授業を通して共有してくださったので覚えているんだと思います。


■本をすすめられる
担任ではない先生から、
松本君はこの本を読むと良いよ
と本をすすめられたことがあります。

それは学校の勉強と直接はあんまり関係ない本でした。
「知の技法」っていう本で、結局その時は読まなかったんですが(笑)
ずっと覚えてて、大学か社会人になってから読みました。

授業も確か1年くらいしか受けてなかったような気がしますし
担任でもなかったんですが、
そういうアドバイスをもらったのはよく印象に残っています。

しかも言われたのは、受け持ちが終わった後の
科目担任ですらない時だったように思います。
なんかそういうのときに言われたからこそ
妙に覚えているのかもしれませんね。


とりあえず今思い出せるのは以上です。
長くなったしこのへんで止めたいと思うんですが
他にもいろいろあったように思います。
こういう先生がいるっていうのも魅力の1つなのかなと思います。



0 件のコメント:

コメントを投稿