2013年3月28日木曜日

「卒業生と語る会」(3月9日開催)での話(その2)―パラダイム

先日(2013年3月9日)の夜に参加した「卒業生と語る会」についての話の続きです。

前回は、田部君が話した内容で、学校や寮生活における1人1人の役割についての話を紹介しました。前回の記事はこちら↓


今回の記事では、自分が話した内容を紹介したいと思います。

■パラダイム
「7つの習慣」読んだことある人がいたらどうしよう
と思ってたんですが大丈夫でした
在校生に向けて話をしに行くことが決まった時に、テーマについていろいろと考えてみました。

インターネット、リーダーシップ、グローバル人材、受験勉強、東大、自分の頭で考えるということ…等々、たくさん話したいことが思い浮かびました。

ただ、今回は前期生も後期生も混ざっているということで、できるだけ共通に参考になりそうなトピックを選ぶことにしました。

選んだのは、「パラダイム」についての話です。先日「7つの習慣」という本に関する研修を受けたのですが、その時に学んだことが結構五ヶ瀬の生活でも役立ちそうだなと思ったのでその本の内容を紹介することにしました。

パラダイムとは自分の世界観、価値観、物の見方のことで、ややネガティブな意味では思い込み、色眼鏡、ラベルといった言葉でも表されるものです。

なぜこの話をしたかというと、五ヶ瀬では学校や寮生活において濃密な人間関係の中で過ごすことになりますが、その分、人間関係やコミュニケーションにおける考え方や対処の仕方が重要になってきます。

そこで1つ参考になるのがパラダイムという言葉かなと思って紹介しました。ちょうど一緒に行った田部君とは、6年間のうちほとんどの期間を喧嘩して口をろくに聞かずに過ごしていたのですが、これは自分が「田部はろくでもない奴だ」というパラダイムを持っていてそれに固執していたためでした。

そうすると、その考え方に沿って自分も行動するので、逆に田部君からすると「松本はろくでもない奴だ」とみられるような行動をとってしまうことになり、その結果、お互いに良い関係を築けません。

また、田部君が良い行動をしていたとしても、「ろくでもない奴」というパラダイムに支配されているので、その行動はあまり意識に残りません(無意識に無視してしまいます)。

逆に、悪い行動の方はパラダイムに当てはまるので強く印象に残るので、「やっぱりあいつはろくでもない奴だ」というような感じで、自分のパラダイムが強化されます。こうなるとどんどん悪循環で、悪い方に関係が進んでしまいます。

女性にも老婆にも見える絵で実験したんですが
これは知ってる人が多かったです
そこで一回立ち止まって、自分の見方を疑ってみることで、関係を変えられるのではないかというのが言いたかったことです。

田部君と自分の場合は何が具体的なきっかけだったのかは忘れたのですが、ある時から「田部も結構いいところあるな」「わりといい奴やん」というように見れるようになりました。その後は良好な関係が今に至るまで続いています。

こういうところを踏まえて、「パラダイム」という考え方が、人間関係で何か問題があった時に解決の糸口になるのかなと思って紹介しました。

あと、当日はあまり時間がなくて話せなかったんですが、実は他にも話したいことがありました。が、時間切れでした…

1つ話したかったのは、自分についてもパラダイムを持っている可能性があるということです。例えば、「自分は東大を受験しても受からない」と思っている生徒は少なくないみたいなんですが、これも1つのパラダイムで、実際にはいろいろとやってみたら入れる人は結構いると思います。

自分に対するパラダイムは自分の能力の限界を決めてしまうことにもつながってしまうので、それも意識して外せるようにできると、成長機会を得られて良いのかなとも思っています。

他にも、インサイド・アウトで考えていくと良いですよとかいろいろ話したいことがあったのですが、このあたりについては、また生徒と話す機会があればその時に話してみたいと思います。

ちなみに発表に使ったスライドはこちら↓




2013年3月23日土曜日

「卒業生と語る会」(3月9日開催)での話(その1)―1人1人の役割について

食堂で話をしました
もう先々週になってしまいましたが、先日(2013年3月9日)の夜に、「卒業生と語る会」が開催されて行ってきましたのでその報告です。

卒業生と言っても、自分と同級生の田部君の2人でしたが、寮で在校生に向けて話をしてきました。


会の内容については以下のとおりです(同窓会サイトより転載)。
2013年3月9日(土)「第2回卒業生と語る会」

時刻:19時00分~20時00分を予定
内容:卒業生が3・4・5年生向けに、自由に10分程度話をする。
在校時の思い出や現在の就いている仕事の話(進路に関わること)など、在校生に有益な
内容であればOKです。パワーポイントの使用も可です。
場所:こだま寮
※なお、翌日、フォレストピア学習発表会にも参加してきましたが、その内容はこちら↓


この記事では、卒業生と語る会の方で話した内容について簡単にまとめておこうと思います。
まずは田部君の話から。


■一人一人の役割
田部君が関わって作った
クリアファイルを片手に説明
田部君は、今の仕事でやっていることにからめながら、一人ではできないことをいろんな人の力を借りてどうやって進めていくかということについて話をしていました。

その例として、中高生向けのストレス対処や悩み相談のための活動のPRのために、ティッシュやクリアファイルを作ったりする中で、どのように企画をして、組織内外の人と相談や調整をして進めていくかということが挙げられていました。実務の話がベースになっていて具体的で分かりやすかったです。

話はそこから五ヶ瀬の生活で学んだことともつながっていきました。五ヶ瀬では、6年間というスパンの中で人間関係を築いていくので、その中でそれぞれの人の特徴や強み・弱みが分かってきて、それぞれの役割が大体決まってきます。

ただ、決まってくるとはいっても、6年間の中でそれは変わったりします。その時々の中で、自分の状況や周りとの関係を踏まえながら、果たすべき役割を見つけてやっていくと良いのではという話でした。

※なお、田部君には以前インタビューしていて、その中でも関連する話が出ていました。


この話、自分も同感だなと感じました。そして、これは五ヶ瀬での生活だけでなく、その後の大学や仕事の中でも役立つ視点やなーと思いました。

生徒の中からは、「私にも役割あるかなー?」というような心配も出ていましたが、少なくとも僕は、1人1人に絶対に何か役割や強みがあると思います。

五ヶ瀬は少人数な分、そうした役割を見つけていく上で良い面も悪い面もあると思いますが、できるだけ前向きな方向に目を向けて、小さなことでも良いので役割を見つけてそれに取り組めるとまたさらに学校や寮生活が面白くなるのかなと思いました。

田部君の話については大体以上ですが、意外に長くなってしまったので2回に分けることにします。自分の話は次の記事で!

2013年3月16日土曜日

「フォレストピア学習発表会(ホームカミングデ―)」に参加して来ました

久しぶりの学校
先週の日曜(2013年3月10日)に久しぶりに五ヶ瀬中等教育学校に行って来ました。厳密に言うと、五ヶ瀬には前日に入って、3月9日の夜に寮で在校生に向けて話もしてきました。

その話も別途整理したいと思いますが、この記事ではとりあえず、フォレストピア学習発表会で感じたことをまとめておきます。

会の内容については以下のとおりです(同窓会サイトより転載)。
2013年3月10日(日)「フォレストピア学習発表会(ホームカミングデ―)」
時刻:8時50分~14時30分
内容:在校生がこれまで取り組んできたフォレストピア学習の成果発表会を聞いてもらう。
場所:五ヶ瀬中等教育学校(事務室にて会場の詳細を記した資料を配布します。)
補足:在校生保護者の参観日にもなっています。当日を「ホームカミングデー」と位置づけ、卒業生が年1回五ヶ瀬に戻ってきて顔を合わせる機会にしては、というのが狙いで今回が2回目です。

なお、今回卒業生は、在校生の発表を聞いて質問やアドバイスをする「フォレストピアアドバイザー」という役割を担いました。

在校時と異なり来客者としてこっちの玄関から入りました
自分を含めて6人参加したのですが、コースごとにそれぞれ2名ずつに分かれて、5年生の発表を聞きました。自分は在校時に自分もとった「森林文化」の発表を聞きました。

発表は午前と午後に分かれていて、その間に4年生が体育館でポスターセッションをするという構成になっていました。自分は都合により、午前とポスターセッションのみ参加しましたが、非常に面白かったです。

以下、自分が参加した範囲での話になりますが、感じたことです。


■生徒の発表について
・単なる資料のまとめという発表はなく、必ず自分の足で得た情報や自分なりの気づきがまとめられていて素晴らしいなと思いました。

・基本的にパワーポイントの発表になっていたようで、発表方法の多様性は減った気がしますが、みんな発表の仕方がうまいのにはびっくりしました。パワポのスライドのつくり方から展開の仕方まで自分も見習える部分がありました。

・ポスターセッションで先輩から後輩にアドバイスがあったり、先輩の研究を引き継いで後輩が発展させたりと、縦のつながりが活かせているのは良いと思いました。


■アドバイザーとしての役割について
・内容については、自分が参加したのは森林文化で、林業系や地域関連のものなどが多く、比較的自分もこれまでに学んだことがあったり関心をもっていたりする分野と近くアドバイスできる部分が多かったので良かったなと思いました。

・ただ、卒業生以外のアドバイザーの方もいらっしゃったので、どのくらいコメントすべきかというのは結構迷いました(基本はそちらにお任せすべきなのかな…と思ったりしつつ、結局いろいろコメントしてしまいましたが)。

・また、質問にとどめるべきなのか、アドバイスをするべきなのかは結構迷いました。アドバイスをいろいろしたかったところはあったのですが、最終発表の段階でアドバイスしてもそれを反映するのが難しいと思いますので、内容の修正になるようなことにはあまり踏み込まず、感想ベースのコメントにとどめました。

・このあたりも踏まえ、来年度はもう少し前のタイミングから関われると良いのかもなと思いました(例えば中間発表をしてそこでアドバイスするとか、現地に行かないまでも論文の要旨を作ってもらってレビューするとか)。

・あと、本当は全員にそれぞれコメントしたかったのですが、機器トラブルもあって時間がおしたこともあり、時間の関係上遠慮してしまったので全員にコメントできなかったのが残念でした(休憩時間に個別にフォローしたりはしましたが)。


■発表会の運営について
・Ustream等で配信をして、会場に来れない保護者や卒業生等が見れるようにしたら面白いのではないかと思いました。面白い内容が多かったので、来場できる人だけしか見れないのももったいないなと思いました。

・ポスターセッションは動きがあって面白いやり方だなと思いました。


■その他
・これまでのものも含めて、論文をネット上で参照できるようにしてデータベースを作れると良いのではと思いました。

・同じく、プレゼンテーションも、ネット上で公開して参照できるようにしてはと思いました。SlideShareみたいなスライド共有サイトで共有したら口コミが発生しそうな内容もありました。


廊下に掲示してあった字がめっちゃうまかった
アドバイスにしろ配信とかデータベース作りとかにしろ、もしやるなら卒業生としていろいろ協力できるところもあると思うので、良い形で協力ができるようにしていければなと思いました。

総じて、発表は普通に聞いていて面白く、一緒に行った奥さんも同じく面白かったと言っていました。さすがに横浜から行くのは結構遠かったのですが、いろいろと刺激をもらえ、行って良かったなと思いました。

また来年もタイミングが都合がつけば参加したいなあ…