2012年2月7日火曜日

後々の人生の選択肢を残しておくという考え方

■前回までのまとめと今回の概要
前回は、勉強する意味がないからといって
即座にそれを止めるっていう選択肢は
あんまり良くはないっちゃないかなー
と考える理由について書きました。

それは「学び」の本質は
意味が分からないことに取り組むところにこそあるからで
それができないとその先成長したり
楽しく人生送ったりはできないからという理由でした。

また、さらに前の記事で
勉強すると具体的にどういう「得」があるのかについても述べました。
大学進学において奨学金や特待生という「得」や
大学のその先の就職においても選択肢が広がるという「得」
があるということを述べました。

今回の記事では、上記の話に
もう1つ観点を加えたいと思います。
それは、「リスクヘッジ」という考え方です。


■イチローの作文を知ってますか?
それについて詳しく述べていく前に触れておきたいことがあります。
ちなみに、この間五ヶ瀬中等教育学校に行った時に紹介したら
みんな知っていました。
誰か先生がすでに紹介しとったんでしょうね(^ ^;)

「イチロー 作文」とかで検索すればたくさん出てきますが
とりあえずこちらから読めます。

夢が決まっていて、そのためにやることも見えていて
今の自分の状態はこうで、こういうことをやっているから
こういうふうに夢を実現できるはずだ
ということが書いてあります。

ここまで方向性が固まっていてしかもそれを実際に実現する。
これはすごいです。普通じゃなかなかできんです。
上のブログの方も、
「イチローは昔から変態なんだなと思った(良い意味で)」
と述べていますが、その通りだと思います。


■山登りの人生ではない時にどうするか
このような人生設計は、
川下りと山登りで言えば山登り型ですね。
しかし、こんな人生を歩める人というのはそんなに多くないと思います。

そうした時にどうするか。
高校の時点でやりたいことが固まっていないなら
(というか多くの人がそうだと思いますが)
「選択肢を広くとれるようにしておく」
というのが良いんじゃないかと思います。

その時に大事なのが「リスクヘッジ」という考え方です。
どういう意味かというと…

リスクヘッジ(Risk Hedge)とは、様々な起こりうるリスクを回避したり、その大きさを軽減するように工夫することを指す。ちなみに「ヘッジ」というだけでも同じ意味を指す。具体的にはヘッジ取引により将来のリスク低減、分散投資によるリスクの低減などが代表的。
リスクマネジメントとも呼ばれる。

ちなみに、「ヘッジ」とは「回避」という意味がある。

なお、金融取引だけでなく、ビジネス一般用語として用いられる。
例えば将来の勤め先の業績悪化による解雇というリスクに対して、そのリスクをヘッジするために資格を取得して自身の価値を向上させることもリスクヘッジの一つである。

リスクとは「不確実性」という意味であり、将来どうなるか分からないということに対し、特にマイナスの意味をもつ事態・事由に対してその不可実性低減のための行動がリスクヘッジとなる。

引用元:http://www.finance-dictionay.com/2009/10/post_431.html
(2012年2月7日20:10取得)
こういう感じです。

文中にもありますが、「将来どうなるか分からない」ので
将来マイナスのこと何かが起こっても
ある程度はそのマイナスを回避できる、受けとめられるように
今対策をとっておくという感じの意味合いです。
こういった観点も進路を選ぶ参考になるのではと思います。

将来どうしたいか分からないのであれば
マイナスができるだけ少なそうな方向性を選んでおく
というのが良いんじゃないでしょうか。

もっと具体的に言うと、
  • 高卒で就職よりも進学
  • 文系よりも理系
というのをオススメします。


■就職よりも進学
なぜでしょうか。
高卒、特に普通科の高校卒で就職するのは大変です。
しかも宮崎のような地方ではさらに大変です。

実際、僕の弟も、デザイン科を出て
就職しようとしていましたが
そのリストを見せてもらったらびっくりしました。
警備員と理容師がずらーっと並んでいて
ほとんど選択肢がない感じでした。

警備員も理容師もそれぞれ
合っている人もいると思いますし、
警備員も理容師という職業自体に問題があるのではありません。
選択肢がそれだけしかないということが問題だと思っています。

大学まで行けば、もっと選択の幅も広がりますし
何よりも、アルバイトやインターンなどを通じて
高校の時より実社会に近いところに関わりながら
自分の将来について考える時間を持てる。
この方が良いと思います。


■文系よりも理系
また、文系よりも理系と言っているのは
文系が悪いわけではありません。
実際僕自身も文系でしたし文系は文系で面白かったです。

ただ、勉強も仕事も結局、文系の要素も理系の要素も
どっちも必要になってくるんですが
独学しようと考えた時の学びやすさで言えば
文系科目の方が圧倒的に自習しやすいです。
(僕は最近になって化学や物理の基礎を
もっとしっかり学んでおけば良かったなと思うことがあります)

また、理系限定の職種もあります。
さらに、進路を変更しようとする時も
文系→理系よりも、理系→文系の方が相対的には変更しやすいです。

こうしたことを踏まえて、
後々の選択肢を広げておくということを考えると
迷うなら文系より理系を選択しておいた方がベターだと思います。


■結局選ぶのは自分
ただ、選択肢を広げ過ぎても結局選べなければ意味がないですし、
どこかの時点で選ばなければならないので
選択肢を広くとること自体が目的ではないことには注意が必要ですね。

また、自分はこの道でいくんだ!という強い意志があるなら
選択肢の幅をとっておくために使う労力は
無駄なものやストレスの原因になるだけかもしれません。

そういったことを踏まえながら
自分は今後どういう進路に進みたいのか、
どういう人生を送っていきたいのか
といったことを、自分自身に今一度、というか、
何度も何度も問いかけてみたら良いんじゃないかなーと思います。

この先の自分が明確にイメージできていて
かつ、それを何が何でも、どんなことがあっても
成し遂げていくという強い意志と覚悟、
そういうものがあるのであれば
大学に行かないだとか、高校を辞めるだとか
そういった選択肢もありなのかもしれません。

でも、そういう人ってなかなか少ないんじゃないかなと思います。
そういう中で、無理やり将来の目標を決めても良いことありません。
(自分がそうでした)

将来どうしたいか、ふわっとしてあまり固まらない、
そうした時に、後々の選択肢を残しておく、
自分がこういう方向性がいいんじゃないかなーと思った時に
その選択肢をとれる可能性をできるだけ残しておく
というのは人生における選択としては
悪くない考え方なんやないかなーと思います。

イチローみたいに、小6でああいった作文を書いて
ほぼその通りに人生の山を登って行くこともできるかもしれませんが
人生何が起こるか分からないので、そうした時に
できることを増やしておく、
そういう考え方もあっても良いんじゃないかと思います。

こういったことを考えあわせると
やっぱり中高で勉強はしっかりやっとった方が良いんやないかと思うわけです。


■やっぱり勉強しとった方が良いと思う理由についての小まとめ
これまで、勉強しておいた方が良い理由について述べてきました。
その理由は大きく3つで、次のとおりです。
  • 「学び」ができるようになる
  • 大学や就職で「得」がある
  • リスクヘッジ…選択肢の幅を残す

ここで1つ注意しておきたいことがあります。
前の記事でも述べましたが、
この2番目の考え方だけをとるのはあまりオススメしません。

次回はその理由について考えてみたいと思います。

2 件のコメント:

  1. リスクヘッジ
    初めて耳にする言葉です
    確かに選択肢を広げてる為に
    大学進学はとっても有効ですね!

    それに学びの森を卒業して
    社会に出る前にワンクッション学生を経験して
    おくことで、気持ちにも余裕が生まれる感じがします。

    特に4年生にはリスクヘッジの話が必要だと思いました。


    ニシモト

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    1. コメントありがとうございます!

      リスクヘッジの概念は知ってはいたんですが
      進路とかと結びつくなーと思ったのは
      ニシモト君のコメントがきっかけでした。
      そういう考え方もあるよなーと思って。

      確かに文理選択を迫られる4年生には良い話かもですね。
      次に機会があればそういう話をしてみたいと思います。

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