先日(2013年3月9日)の夜に参加した「卒業生と語る会」についての話の続きです。
前回と前々回は、自分と自分の同級生の田部君が話した内容を紹介しました。
前回までの記事はこちら↓
2つのグループに分かれて話をしました |
出た質問は以下のような感じです。
Q.大学に出た先輩で、五ヶ瀬では6年間同じメンバーだったから、大学で友達の作り方が分からなかったという声がありました。どうやったら友達ができますか?
Q.苦手教科はどうやって勉強したらいいですか?
Q.勉強したくないときはどうしたらいいですか?
Q.東大ってどんなところですか?
他にもいくつかあったのですが、話ながらだったので全部覚えられていないのが残念です…次回あったらメモとっておくようにしたいと思います。
今回は、1つ目の大学での友達の作り方についての質問について考えてみます。
■友達の作り方
この質問は結構新鮮でした。自分たちの頃はあんまりこういうことを気にしたことがなかったと思うのですが、そういうことを感じる卒業生が増えてきたということでしょうか。
確かに五ヶ瀬での友達づきあいというのは、6年間40人(または40人弱)でずっと固定された人間関係の中で、学校でも寮でも長時間つきあうという形なので結構特殊だと思います。
もちろんこれには良い面がたくさんあるのですが、その反動として、それと同じ関係を大学以降でも求めようとするとちょっと難しいかもしれません。
五ヶ瀬での関係と同じ密度で友達づきあいをするというのはなかなか難しいと思います。大学でも寮に入ったりしていれば似たような感じになるところもありますが、そうでないともう少し違った形になると思います。
ただ、このへんを踏まえて当日僕が回答したのは、そもそもそんなに友達を無理に作る必要はないっちゃないやろうかという話でした。一生のうちにずっとつき合っていく友達というのは、各場所で数人いれば十分だと思います。
数百人もいたところできちんと関係を築くのは難しいと思います。まずは一人でも良いので話ができる友達を見つけられれば十分だと思いますし、そこからまた広がっていくことがあるでしょうから、頑張って友達を増やそうと肩肘張らなくても良いと思います。
また、仮にもし大学での友達関係がうまくいかなくても、五ヶ瀬で築いた友達関係がありますから、そこをホームグラウンドにするような気持ちでいけば、多少気楽にいっても良いっちゃないかなーと思います。
■「友だちのたくさんいる子供は、いい子供」という幻想
そして、この会に参加した後に読んだ本でちょうど関連する話があったので紹介しておきたいと思います。
小説家の重松清さんが「世紀末の隣人」という本で書かれていることです。この本は、現実に社会で起きた12の事件をとりあげて紹介しているものです。
著者の重松さんは、この本の内容のことを「寄り道・無駄足ノンフィクション」と呼んでいて、社会事件について読み物的に事件の背景や当事者の想いをつづっています。
その中で書かれていた話です。
「ぼくたちは、「友だちのたくさんいる子供は、いい子供」という幻想を刷り込まれている。それはもう世代の問題ではない。
幼稚園の園庭の光景を思い浮かべてみればいい。園庭の片隅で一人で遊んでいる子供を見つけたら、先生は必ず「こっちに来て、一緒に遊ばない?」と声をかけるだろう。また、「勉強は人並みでいいから、友だちのたくさんいる子になってほしい」という親の言葉を、ぼくたちはしばしば耳にし、もしくは自ら口にしているはずだ。
『一年生になったら』という歌を、覚えているだろうか。幼稚園の卒園間近によく歌われる歌だ。
一年生になったら友だち百人できるかな-。
友だちを一人でも多くつくることを、ぼくたちは無意識のうちに強いられているのではないか。
"公園デビュー"というキーワードゆえに、ぼくたちはこれを若い母親だけの問題にしてしまいがちになる。だが、ひとりぼっちを恐れる気持ちは、この時代を生きる誰にでも、ある」(p75-77)
この話を読んで確かになーと一人頷きました。「一年生になったら」にあるように、友だちはたくさんいる方が良いというイメージをなんとなく持っている気がします。
でもよくよく考えると数の問題ではないですよね。正確なところは分かりませんが、質問をしてくれた在校生の頭の中にも、なんとなくこういうイメージがあったのかなとも思います。
ですが、無理に増やそうとすると、どこかで自分にも負荷がかかっていずれ無理がくるように思います。もちろん、人間関係の中では多少我慢したり無理したりっていうことが必要な局面も出てくると思いますが、大学に行く前から心配しすぎなくても大丈夫なんじゃないかな、というか、その方がいいっちゃないかなーと改めて思いました。
しかしこのテーマはなかなか興味深いので、同級生や他の卒業生の方に会った時にどう感じたか聞いてみたいと思います。
今回は以上です。
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