五ヶ瀬中等教育学校2004年卒業生の荒武里衣さんへのインタビューの続きです。
前回は、大学進学までの話を聞いていきましたが、今回は入ってからの話です。
前回の記事はこちら↓
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(1) - 研究分野の話
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(2) - 研究分野の話の続き
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(3) - 進路の話
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(4) - フォレストピア研究&NASDAの実験の話
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(5) - 大学進学
- 五ヶ瀬中等教育学校卒業生インタビュー - 荒武里衣さん(6) - 大学での部活・勉強・研究
■研究室の話
―研究室はどういう研究室だったんですか?
研究室は、化学で一番大変なところだったんです(笑)
―ええ!?何でそんなとこ行ったんですか?
推薦で入ってると、化学から生物に転科するっていうのができなかったので、化学の中でできるだけ生物系に近いところを探したらそこだったんです。
一番大変なところで厳しかったです…
他にも同じ分野の研究室があったんですけど、
その先生がその分野で、うちの大学では一番良いみたいな感じで、研究室としても頑張ってるっていう感じだったのでそこに入りました。
でもまあ…大変でしたね…
―大変ってどう大変だったんですか?
先生の求めるレベルがあまりにも高すぎたんです。遊び回っている琉大生にとってですがwww
研究室のゼミでは、関係する分野で面白そうな最近の論文を自分で探してこいって言われたんですが、途方にくれてました…
留学生もいるので、英語でスライド作って、英語でセミナーが始まるんですけど、読んでこいって言われてそのまま発表すると怒られました。
「みんな読んできてるんだから、そこに書いてないことをスライドで発表するのが普通だろ」っていうようなことを言われて、「ハイ、すいませんでした…」みたいな。
厳しかったので、「そんなんで大学生だなんてなってない」とか「実験しないとか意味がない」とかバンバン言われました。
琉大の生物系の学生って琉大ならではのことをやりにきてるのでマジメな人が多いんですけど、
化学系の学生って余り琉大に特化した研究をイメージして来てる感じでないので、正直あんまりマジメじゃない人も多いんです。
だから、就活を第一に考えて研究室になかなか顔をださない人も多いですし、何人かの先生もそれで良いみたいなところもあるし。
なのでとてもゆるい研究室も多くありました。でも研究って意味ではどうかなってところもありますよね。
■卒業論文の話
―でもそれは大変だけど良い研究室に行けたんじゃないですか?
そうですね。良い研究室に行けました。
先生のヤル気も意識も高かったので。
研究室では大変でも何とか食らいついてたんですけど、遊んでることは遊んでたので、卒業間近になって卒業研究として出せる結果が何もなくてヤバイっていう状況になりました(笑)
卒論提出の前に卒業研究発表があって、卒業研究発表の前に要旨を提出する必要があって、
その提出に間に合わないのでは???????ってことになってました。
要旨提出の1週間前に先生と「先生!これはヤバイですよね(´・ω・`)」っていう話をしてたら、先生が急に「これやりな」って新しいサンプルを持ってきてくれたんです。だいたい1週間しか無かったんですけど、徹夜して、何とか結果を出せました。奇跡でしたねwwwwwww
そこが私が初めてマジメに実験したところだったんです(笑)
―追い込まれたら力を発揮するんですね(笑)ちなみに学校の夏休みの宿題はいつやってたタイプですか?
8月31日です(笑)それが、寮に帰って来てからみんなで泣きながらやるって感じでした。テストも一夜漬けでしたし。
―なるほど、三つ子の魂百までって感じですね(笑)卒論の方はその後どうなったんですか?
要旨は途中だったんですけどとりあえず提出して、発表までの期間にまた実験を繰り返して、何とか形になって発表しました。そのまま修士に行きました。
―修士に行くのって試験があるんじゃないんですか?
8月に試験があります。それは元々行くつもりがあったので受けてました。生物系は受ける人がすごく多くて合格が難しいんですけど、化学はそこまでではないのでなんとか。。。。。
ちなみに私は頭が悪かったから、各教科(有機化学・分析化学・無機化学・物理化学)に家庭教師が付きましたwwww
同級生で頭のいい人達が教えてくれました!!
生物は、沖縄に特化している研究室が多く、他大学から受ける人も多いので合格も難しいです。
―ちなみに卒論はどういうテーマだったんですか?
卒論は、海綿から新規化合物をとり出すっていうものでした。海綿っていうのは、スポンジっていうか、無脊椎動物で海に入った時にホヤみたいな感じで岩とかにくっついてたりするやつです。そんなに目立たないです(笑)
先生がインドネシアに行って取ってきてたやつで、何となく「これやって」って言ってたやつから新しいものをとり出すことができたんです。
―え、それってすごいんじゃないんですか?
普通は、大抵すでに見つかっているものを5個から10個くらい見つけて卒論ですっていうのが多いですが、私の場合はそれができてなかったんです。
私の場合は1個しかなくて、せめて新しいものがあればどうにかなるだろうみたいな感じでした。
結局は既知物質もそういえば2個ぐらい出したんですが(笑)
―なんか一発逆転みたいな感じですね(笑)でもすごいですね、新しいものを見つけるって。
でも修士になると、新しい化合物を1-2個見つけてるのが当たり前みたいになります。なので、まだ一応伸びしろはある分野です。
ただ、実際にはその新しいものが病気等の何かに効かないと意味がないんです。見つけた後は、何に効くかを調べていく実験があります。
今回は以上です!