2012年4月28日土曜日

社会福祉の仕事は大変なだけではない?~「対人援助の技法」から~


前回に引き続き、「対人援助の技法」という本を読んで感じたことをもう1つ。


僕は、社会福祉の仕事に対して、
大変そうやなー、やってる人はどういうモチベーションでやってるんやろか
という疑問を持っていたのですが、
この本を読んで、実はそういうことばかりじゃないんじゃないかと感じました。

以下、この点について述べていきたいと思います。

■社会福祉の仕事は大変?
社会福祉関係の仕事というと、結構大変なイメージがありました。
パッと思いくのが支援施設とか老人ホームとかなんですが
(そのへんも安直だと思うんですが…)
相当熱意をもってないと務まらんやろうなーと思ってました。

正直なかなか報われることが少ない感じがしていて
そういう仕事を続けるには、自分の中に確固たる熱意がないt
続かないやろうなと思っていました。

そして、自分にはなかなかその熱意がなかったので
社会福祉関係の仕事に就いている人が
どういうモチベーションで働いているのか
というところはあまりイメージできてませんでした。

そんなわけで、前回インタビューをした
社会福祉関係の仕事に就いている田部君のことは
ある種尊敬の念を抱くと同時に不思議に思ってました。

インタビューでもそれにつながるような話がありましたが、
この本を読んでさらに答えが分かったような気がします。


■創造性を発揮できる豊かな仕事
本の冒頭に次のような一節がありました。

「対人援助の仕事では、いかに援助を進めたらよいか、あるいはどのようにクライエントに関わるのが適切であるのかを考えるとき、つねに正しい画一的な答えは存在しない。それは、1人ひとりのクライエントや家族が、あるいはそれぞれの援助者や援助職場が、こうあるべきと画一化できない複雑な事情を合わせており、そのために答えがつねに同じではないからである。」pi-ii
「対人援助の本質が「曖昧さ」であることは、援助が「創意工夫」の許される仕事であり、そこに面白さが生まれる可能性があることも示唆している。また、援助技術の特性が「多様さ」であることは、援助が「奥の深い」あるいは「幅の広い」仕事に育つ可能性をもつことも示している。」pii

これを読んで、なるほどな!と思いました。
どういうことかというと、人を手助けするためには
その人のことや周りの状況をよく知らなければなりません。

そして、ほとんどの場合、それぞれの人が置かれている状況は異なり、
対応の仕方も1つ1つのケースで異なってくると思います。


■正解がないからこそ面白い
1つ1つのケースが異なるということは、
唯一絶対の正解というものがないということです。


もちろん、共通して当てはまる部分はあるでしょうが
これをやれば絶対OKというようなものは滅多にないでしょう。

でも、だからこそ、大変であるし、やりがいがあって面白いのだと思います。

はっきり言って、正しい唯一の正解があった方が楽です。
正解が分かっていればそれをやっておけば成果が上がるので分かりやすいです。

でも、それって面白いかっていうと面白くないんじゃないでしょうか。
分かり切っていることを繰り返すのって中々難しいと思います。
はじめの数回は良くても、段々飽きて来るでしょう。
(少なくとも自分はそうです)

正解が予め分かっていてやることも決まっている仕事は
コンピューターやロボットに任せた方がよっぽど効率的です。
でもそうでないところにこそ人間が仕事をする意味があると思います。

世の中正解が分かることばっかりじゃありません。
でも、そういう問題に取り組む時にこそ
頭を使って自分なりに考えて工夫して対応策をやっていく、
創造性を発揮する機会が与えられているのではないかと思います。

そして、自分なりに考えてやったことが
良い結果に結びついた時にやりがいや面白さを
感じられるんじゃないでしょうか。

社会福祉の仕事は単に大変なのではなくて
そういう機会があるからこそ
やりがいを感じられるし面白いということなのかなと感じました。

もちろん一口にそう言えることばかりではないとも思いますが
見方が変わったポイントでした。

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